<故障・修理実例>・・エンジン関係【オーバーヒート】 c3003
2006年05月22日(日)ハイゼットバン
- 車名;ダイハツ ハイゼットバン
- 年式;H12
- 型式;GD-S210V
- エンジン;EF ミッション;MT
- 型式指定;9288 類別区分;050
- 走行;3.7万`
- その他;
*故障名
エンジン始動不良
*入庫時状況(赤がポイント)
車検を受けて間もないのにエンジンがかからなくなったのでみて欲しい、との
ことであった。車検整備にミスはなかったと信じていたが一抹の不安をかかえながら
とにかく車を預かり点検をすることにした。その結果#2気筒のプラグがベタベタに
濡れているのが確認された。車検整備ではそのような症状は見られず、電極の磨耗も
ひどくはなかったので掃除をして使用する判断をしていた。ということは車検後に
シリンダーヘッドに亀裂が入ったのか、またはシリンダーガスケットの破損によって
シリンダー内に冷却水が入り 着火不良によるエンジン不調に至ったのか、等が考えられた。
*修理詳細
走行距離が3.7万`と少ないこともあり また車検直後の修理なので 第3者の目で
見てもらったほうがお客様に納得していただけるものと考えたので今回はディーラーさんに
修理を託すことにした。その結果 ダイハツよりシリンダーヘッドが歪んだために冷却水
がシリンダーに入りエンジン不調を起こしたとの連絡があった。どうもこれまでにエンジン
のオーバーヒートがあったのではないかとのことであった。(歪みについては現物にて
確認済み)そこでお客様にオーバーヒートの有無について訊ねてみたのだがそれはなかった
とのことであった。ただし 水が少なかったので補給したことはある、とのことであった。
実は車検整備の時にホースとパイプのはめ込み部分から冷却水がにじみ出ていた跡が何箇所か
あったので 新しいホースバンドと液状ガスケットを使って十分な対策をしておいたので
ある。しかし水の補給はそんなにしなくてもよかったのでまさかヘッドが歪んでいるなんて
夢にも思わなかったのである。ホースからの水にじみが冷却水内の圧力を逃がしていた
のだがそれを車検整備でしっかり止めたため圧力が一番弱くなっていたヘッドガスケット
に向かった可能性が考えらた。整備したためにかえって大きな修理を抱え込んでしまった
わけである。3年以上の車なので今回はクレーム修理とはならず 申し訳ないのだが
お客様負担となった。
*修理項目
シリンダーヘッド及びガスケット取替。
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