<車の故障・修理>実例集

<故障・修理実例>・・エンジン関係【始動不良】 c1034

2010年9月26日(日) ミラ

ガソリン比較

*故障名
 エンジン始動不良(ガソリン不良)

*入庫時状況(赤がポイント)
 朝、エンジンをかけようと思ったがかからない。引き取って見て欲しい、との依頼があった。

*修理詳細
 さっそく出かけ、エンジンをかけてみるとエンジンはかかった。そのまま 自走して来たが エンジンの”吹け”は悪く、どうかすると”バックファイヤー”が発生することがあった。また  アイドリングも悪く、明らかにエンジン不調であることに間違いはなかった。工場に入ると症状は もっと悪くなり、エンジンもかかりづらくなった。そこで いつものとおり、電気関係の点検から 始めた。プラグが”真っ黒”だったので新品に取替えたが 思ったほどの効果はなかった。ダイアグ はアクセルスイッチ、ニュートラルスイッチ、スロットルポジション系不良と出たので測定を 行ったところ、スロットルポジションセンサーの抵抗値に異常が見られたので 中古のスロットル ボディに取替えた。(これはあとで分かったことだが カーボンがセンサーに影響を与えていたようだ) この結果、エンジンの”吹け”にかなりの改善が見られたが エンジンの かかりにはほとんど効果が見られなかった。このあとは 関係する個所の点検、測定を行ったが 異常は見られなかった。
 EFIコンピューター、吸気管センサー、カムポジションセンサー、フューエルポンプ&リレー、 ISCV作動、タイミングベルト、バルブクリアランス、インテークマニホルド、各気筒の 圧縮比、などなど・・・。
 考えられる基本的な部分をすべてチェックしてみたが異常は見られなかった。そこで お客様に 聞いて異常ないと判断していた燃料(ガソリン)にもう1度、目を向けてみることにした。お客様 のガソリンと自社のガソリンをサンプリングして 比較試験を行ってみた。臭いにあまり差異は なかった。指先に取ってガソリンを揮発させると お客様のガソリンは最後に少し”ネチョ ネチョ感”が残った。もう少し揮発性をはっきり比較するために 同じ形、同じ大きさのコーヒー の空き瓶2個を準備して両方のガソリンを同じ量だけ入れてフタを開けたまま放置した。1時間 以上放置して揮発後の残量を調べると 自社のガソリンの方が高さにして5ミリ以上低かった。 (揮発性が良い)この結果より、お客様の燃料タンクを降ろして内部を洗浄すると共に自社のガソリンに 抜き替えた。また 燃料パイプライン内のガソリンも同じ処置をおこなった。この作業を終えて エンジンをかけてみるとエンジンは一発でかかった。アイドリングもエンジンの吹けも問題は なくなった。やはり 故障の原因は燃料(ガソリン)の質に問題があったようだ。ただ なぜ? そのような燃料になったかは不明のままである。
今回の燃料で出た症状
 エンジンかかり悪い(特に冷間時は悪い)
 エンジンの”吹け”が悪い、加速不良
 アイドリング不調、エンストもある
 バックファイヤーする時がある。(パンパン音)
 スパークプラグ及び吸気系真っ黒(カーボン大)

*修理項目
 燃料(ガソリン)抜き替え。

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